トラブルがつきもの

泣いている女性
病院の中でも特に気を使うところが産婦人科ではないでしょうか?

もちろん、他の病院でも大きな病気になってしまった方のその闘病生活は想像を絶するものがあります。

産婦人科の場合は、自分自身の病気というよりは、自分の赤ちゃんに関してトラブルの多いところです。

より感情的になってしまうのも仕方ないかなとも思いますが、泣いている患者さんによく出会います。

せっかく育ってきた赤ちゃんが流産になってしまったりするのが一番多いパターンではないかと思います。
流産になってしまう原因というのは様々なものが考えられます。

ですが先天的なものというのがとても多く、決して母親がどうにかしたから流産してしまったということではないのですよね。

流産してしまった患者さん

この前は診察時間のギリギリに切迫流産ということで入ってきた患者さんがいたのです。
ですがうちの産婦人科は基本的に原則予約どおりの診察順なので、待合室で待っていていただいていたのです。
そうしたら、どうやらお手洗いで流産をしてしまったらしく、泣きながら出てこられました。

正直、それくらい切羽詰まっていた状況だったら、医師としても看護師としてもどうしようもなかったと思うのですが、私自身一緒に泣いてしまいました。

医師は慣れているので、あまり感情的にならずに淡々と説明をされていましたが、こういった妊婦さんの心のケアをするのも私たち看護師のとても重要な役割の一つなんです。

先生から、数日は体を安静にして、三ヶ月は子宮を休めるということを言われた妊婦さんは、診察終了後にカウンセリングルームへ行くことになります。

そこで、看護師と少しだけお話をさせていただきます。

今回は生まれてくることができなかったけれども、それはだれのせいでもないので、自分を責めないでほしいこと。

きっと、お空でみんなを見守っていてくれているし、11人中1人の割合で流産は起こってしまうものなのであなただけではないということ。

そして、何より患者さんのお話を聞いてあげるようにします。
妊婦さんの中には仕事や家事を頑張りすぎてしまって、協力のない旦那さんを恨んでしまう人もいます。

家庭との両立

今回の方は、普段どおりの生活を強いられたことに対する不満がここで爆発していました。
私も、正直そのだんなさんに対しては腹がたちました。
しかし、つわりもしらない男性にはこの大変さなんて分からないのです。

もちろん、仕事をしてもらわないと家計が成り立っていきません。
仕事を頑張るということはとてもありがたいことなのです。

ですが、家庭との両立という面で少し配慮があってもいいのではないかなと思います。
でも、その患者さんも看護師に対して、自分の持っている思いをぶつけ泣いたことで少しすっきりしたと言ってくださいました。
看護師としての役割は体以上に心のメンテナンスも必要なんです。

今度またこの病院でうれしい知らせが聞けることを待っていますということでその場は帰られましたが、家で修羅場になっていないかと余計な心配をする私でした。