マタハラとは
マタニティーハラスメント、略称マタハラとは、職場で働く女性が妊娠出産の際に受ける様々な嫌がらせのことを言います。
マタハラの実例には言葉によるものから身体的にダメージを与える嫌がらせまで様々なものはあります。
このような嫌がらせの中で最も有名なのがいわゆる「育休切り」と呼ばれている嫌がらせです。
育休切りの例には、妊娠出産を契機に解雇や契約打ち切りを通告されたり、自主退職をするように強要されたというものがあります。
言葉による嫌がらせの実例には、上司が「俺の妻は妊娠したらすぐに職場を辞めたのに、なんで君はやめようとしないんだ」と言ったり、職場の男性から妊娠・出産を経験したときに「子供ができて本当にうらやましいよ」「あんたは余裕があっていいね」などと繰り返し嫌みを吐かれたといった事があるのです。
身体的な嫌がらせには、妊娠中にわざと重い荷物を待たされたり、わざと目の前でたばこを吸われたり、といったものがあります。
マタハラが起きる原因として最も多くあげられているのがには、男性の上司や社員の妊娠や出産に対する理解や協力不足です。
この背景には、日本企業はまだまだ男性社会であることや、企業の間に妊娠や出産を理由にした労働者の解雇などを禁じた男女雇用機会均等法の知識が不足していることかあげられます。
女性同士でもトラブル
また女性社員の中にも同僚が育休をとることについて快く思ってない人も多くいます。
1人の女性社員が育休をとりますと、別の女性社員にそのしわ寄せが行くためというのがその理由です。
実際に、同僚の女性社員が育休をとったため自分にそのしわ寄せが来てしまい、育休をとった同僚のせいで自分が婚期を逃してしまうと腹を立てている女性社員も少なくありません。
こういった女性社員たちは、育休を取った同僚が子供の姿をメールで送りつけてくることにも内心不愉快に思うほどになっており、同僚が休み明けで復帰してきても、うまくやっていく自信がないとこぼしているのです。
長引く景気低迷の影響で、企業の側も育休をとった社員の穴を埋める人材を雇用するほどの余裕がなくなってきています。
そのため、男性社員はもちろん、女性社員でさえも妊娠、出産による育休をとる女性に対して白眼視するようになったのです。
マタハラをなくし、女性社員が堂々と育休を取れるようにするには、もはや企業の自助努力だけに任せておくのではなく、行政等の社会的支援をさらに拡充することが強く求められています。