チーム医療の一つ
医療というのは1人で行うのではなく、チームで行うものである、という「チーム医療」の考え方というのはかなり広範囲に広まっています。
ただ、ここで言うところのチーム医療というのはあくまでも医師を中心として、周辺のコメディカル達がそれをサポートする、という形で使われているのがほとんどです。
ここではチーム医療の一つであるものの、通常言われているチーム医療とは少々方向性が違っているものとして「チームナーシング」というものについて紹介します。
チームナーシングというのはその名前の通り、ナース=看護師がチームとして行動する、というものとなっています。
一人ひとりが個別の仕事をする、というだけではなく、ナースはあくまでもチームとして行動する、というのがベースとなっています。
このチームナーシングにおいてはリーダーだからといってやるべき仕事ややらなくて良い仕事があるわけではなく、全員がその一部として看護活動を行っていく、というのがポイントです。
同時にチームナーシングの特徴であるのが、看護師の人数が少ないことにあります。
業務ごとにチーム分けを行う、というのが基本形であり、いわゆる一般的な看護師の場合の「担当患者」を決めたやり方とは根本的に違っているわけです。
ただし、当然ながらすべての患者についての情報を共有することが必要となります。
これを全員で行うというのは難しいため、ここにおいてリーダーが重要になってきます。
チームナーシングで担当することになる患者さんについてはリーダーが責任を持って状況を把握し、リーダー間で情報共有を行うようにしていくことがポイントとなってきます。
チームナーシングのメリット
では、具体的にこのチームナーシングを利用する場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
まず一つのポイントとなるのが、看護師の精神的負担の軽減です。
チームナーシングの場合、担当患者の数がチームの数に応じて少なくなることになります。
そのため、自分が負わなければならない責任を分散することが出来、安心して看護活動を行うことが出来るようになります。
ミスが起こりそうな場面においても他のチームメンバーとの注意の試合に寄って未然に防ぐ事が出来、医療ミスの発生を防止する効果を期待することも出来ます。
特にこのシステムを採用することによって仕事がしやすくなるのが、まだまだ看護の仕事について詳しくはない新人看護師です。
この仕事は離職率が高い仕事です。
その理由の一つであるのが肉体的・精神的な負担が大きいことであり、さらに人数が少なくなることによって負担が重くなる、という負のスパイラルに陥っている所も少なくありません。
その解決方法の一つとして期待されています。